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レコーディング終了(;_;)

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ついに曲が生まれました。来年開催される「日本スペイン交流400年」イベントの公式テーマ曲。

7月から作曲とオーケストラ編曲とレコーディングで休みゼロで戦い続けた結果か、録音が終わった翌日心身共に力が抜けて久しぶりに寝込みました。

今回は日本とスペインが音楽で繋がるよう、オーケストラと両国の古楽器を入れたピアノ協奏曲と言う事で曲作りをしたのですが、ピアノソロ曲とは比べ物にならないほど大変な作業の毎日でした。
最初の構想はピアノ一本で練って、出来上がったピアノ曲をオーケストラの楽器に置き変えながら編曲し直して、スコア譜に書き換え、その編曲した楽譜を元に楽譜に忠実に演奏してくれるオーケストラと、楽譜を必要としないスペインの即興楽器(打楽器やギター、ブズキ、笛など)を別々にレコーディングして、最後にミキシングをするという作業なのですが、これはもうまさに山登りと同じだと毎日のように思いました。

最初は「あの山に登ろう」と思ってその山の麓に入った瞬間、さっきまで見えていた美しい峰も山の全体像も見えなくなって、目の前に広がるのは生い茂った暗い森。足元に美しい小さな花が咲いている事もあるけど、思いがけない谷や崖や急流や悪天候が次から次へと待ちうけていて、「ホントに私が登ろうと思ってた山ってここにあるんだっけ?」と思わず、自分のいる場所が信じられなくなるような思いを振り払いながら先の見えない森の登り坂をひたすら小さな道しるべにそって上って行くばかり・・・。そして突然頭上に開けた小さな視界の先には、別の美しい山の頂上が見えたりして、「あっちの山の方がずっと良さそうかもぉ~」なんて急に今までの自分の歩みが無駄で、何もかもがダメなのではと思うようになったり・・。

「山に登ろう」が「こんな曲を作ろう」と重なり、暗い森の中に迷い混んでしまう自分は膨大な音の森の中に揺れ動く自分であるような気がしてなりませんでした。

もう一つ山登りに似ているなと思ったのは、頂上に着く時と曲が完成した時。突然気が付いたら森も雲も抜けて頂上に自分が立っていたと同じような感覚で、気が付いたらつい1分前まで猛烈な音の混乱状態に自分があったのに、突然霧が晴れて曲が出来上がっていた、そんな感覚です。

何はともあれ、曲は完成し、川上の全胃腸はピーヒャララのまま出来たての曲を持ってマドリッドの日本大使館へ向かい大使に曲を手渡し、そのまま家に帰って2日間身動きが取れなくなりました。
スタジオに入っていると、全く体を動かさずに耳と頭だけで6時間単位程で我に返るので気がつくと食事も忘れて深夜になっていたり徹夜になっていたり・・・人間、体を動かさなくても耳だけでここまで疲れるものかとちょっと感心モノです。

でも、真っ暗な森の中を彷徨いながら、足元を見るとそこには小さな花が咲いていた・・に置き変えられる小さな素敵な出来事もいくつかありました。
その一つ。昔、長い事ドイツに暮らしていた時にスペインに行きたいと思ったきっかけの一つになったCDがありました。RADIO TARIFA(ラディオ タリファ)というフラメンコ
のグループで、その中で強烈に美しい音を出すギタリストがいて、当時それを録音したカセットテープが擦り切れて壊れるまで聞いていました。以後このグループは解散し、擦り切れたカセットテープを復元することもできず、長い事聞いていませんでした。

そして今回、録音に選ばれて来てくれたギタリストが出す音を聞いた瞬間、ドイツ時代にスペイン音楽に憧れてどうしようも無かった自分が突然甦ったのです。
そのギタリスト、アミールはラディオ タリファのギタリストだったのです。しかもこのアミール、私が住むマドリッド郊外の山村と同じ村の反対側に住んでいたのです。

夢ってこんな所で、こんなにさりげなく叶う事もあるんだと、突然目頭がジワワ~っと熱くなる瞬間でした。

まだ日程は決まっていませんが、この秋には皆さんにも聞いて頂けると思います。

写真がそのギタリスト、アミール。

  • 2012年09月17日(月)05時58分
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